東京総研及び元森公認会計士・税理士事務所の掲載記事情報

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「週刊ダイヤモンド」
2003年6月7日 (107ページ)掲載

経営よろず相談所
テーマ:無担保・無保証で借りる


回答者  元森俊雄
東京総研 代表(公認会計士・税理士)


Q.私の会社は、すでに担保枠一杯の銀行借り入れがあり、 もはや担保余力はありませんし、保証人も頼めません。なにかよい手だてはないものでしょうか?

A.これまで銀行は、中小企業向けの無担保・無保証融資にはきわめて消極的でしたが、 最近積極的に取り組み始めました。

 しかも、個別企業ごとに綿密に調査した上で結論を出す個別詳細審査方式ではなく、「自動格付方式」(財務データを入力し、信用度を自動的に格付けするシステム)を採用、数日間で結論を出します。
 これまでの銀行の融資が、貸し倒れを出さないことを前提としていたのに対し、新方式は一定の貸し倒れは覚悟し、そのぶん金利を高めに設定するという発想に立っているのが特徴です。
 ある都市銀行の場合、利率は格付ランクに応じて2.5~9%で、新規先にも融資します。

 また、従来からよく活用されている制度に、「マル経融資」や保証協会の「保証付き融資」があります。
 前者(正式名称は経営改善貸付)は、商工会議所が推薦した企業に対し、国民生活金融公庫が低金利(2003年5月時点で年利1.05%)で最高1000万円の事業資金を貸し出す制度。
 後者は、各都道府県の信用保証協会の審査をパスした企業に対し、協会の保証を付けて民間の銀行が融資する制度です。

 担保や保証人がなくても、まだ手はありますので、あきらめずに自動格付融資(銀行によって名称は違います)の 可能性などを銀行と折衝してみてください。

無担保・無保証で借りる

2003年6月7日号表紙